僕の友人は現地の生産者に直接会いに行き、
そこで味見(カッピングといいます)しながら、その年に仕入れる豆について話し合います。
商社は強者の理論で買いたたきます。
彼は直接買い付けます。だから生産者の努力や労働に見合った対価を支払うことができます。
さらに消費者からの声を生産者に届けることもできます。
僕自身も生産者の1人であるニカラグアのセルジオさんにお会いし、
コーヒーに対する熱い思いを聞き、それ以来セルジオさんのファンです。
皆さんはこんなコーヒーを飲んだことがありますか?
「これセルジオが作った豆なんだぜ?」
素敵です。
また友人は焙煎もプロフェッショナルです。大手カフェチェーンが見学に来るほどです。
1940年代の焙煎機を使い、季節・気温・湿度などの細かい条件を記録しながら焙煎していきます。
お店の名前に「アロマ」という言葉が入っているので、
お客さんから「フレーバーをつけているんでしょ?」とよく聞かれます。いいえ、つけていません。
彼の扱っている豆はスペシャルティーコーヒーと呼ばれるカテゴリーの豆ですが、
そのスペシャルティーコーヒーの中でも、トップクラスの品質を誇る豆です。
世界の流通量の1%に満たないくらいのハイグレードな豆です。
本当に美味しいコーヒーは何も加えなくても華やかな香りと複雑な味わいを感じさせてくれます。
また本当に美味しいコーヒーは冷めても美味しいです。
うちの家族はたくさん飲むので、1回にたくさんのコーヒーをまとめて作ります。
熱い時は感覚が麻痺して、どのようなコーヒーでも美味しく感じやすいですが、
冷めてくると味覚が敏感になり、複雑な味をかぎ分けられるようになるそうです。
冷めたコーヒーを飲んで「美味しくない」と感じたことはないですか?
我が家では1日経ったコーヒーでも美味しくいただけます。これは焙煎の技術と豆の質がなせる業です。
いつかこの豆をDylanに届けることも僕の夢の1つです。